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地球の1/3は鉄

地球を構成する元素のおおよその比率を質量%で示すと、鉄32.1%、酸素30.1%、ケイ素15.1%、マグネシウム13.9%となり、鉄がもっとも多いのです。

ところがその大部分は中心部の核に集中していて、地殻に存在する元素の比率は、酸素46%、ケイ素27%、アルミニウム8%、鉄5%程度とのことです。

地表近くに分布している鉄は少ないため、地球全体としてはたくさんあるにもかかわらず、採掘可能量は限られています。

 
体の中の鉄

人体中に鉄は約3gから5g存在するとされています。そのうち2/3が、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンを構成しています。肝臓や骨髄にもあります。

血液中の鉄は酸素と結合し、全身に酸素を運びます。動脈の血の鮮やかな赤さは、鉄の赤サビの色なのです。酸素を体の各部に届けたあとの血はサビが少なくなってどす黒く見えます。 鉄がなければ酸素を体中に送ることができず、生きてはいけません。鉄は人体にとって必須中の必須の元素です。

 
世界中で生産される金属製品のうち、なんと90%以上が鉄鋼製です。
 
鉄鋼とは

鉄と鋼、すなわち、鉄とステンレス鋼等の鉄合金を含むことばです。

 
ステンレス鋼のなべ

ステンレス鋼製のなべはさびにくく、アルミより強いので便利です。ただ、ステンレス鋼はアルミや鉄より熱伝導率が低いので、熱のまわりが悪く、焦げつきやすいという欠点があります。煮込み料理などでは、より頻繁にかき回さないと焦げついてしまいます。ステンレス鋼製のフライパンや中華なべもありますが、あまり普及していないのは、この熱のまわりの悪さが理由でしょう。

また、ステンレス鋼の中でもさびにくいことで多方面に使用されるSUS304は、非磁性体であるため、IH調理器(電磁調理器)では使えないことが多いのです。一方、ステンレス鋼の中ではさびやすく安価なSUS430は、ほとんどのIH調理器で使えます。そのため、やかんなどでは、IH調理器でもガスでも使えるよう、直接火に当たる底面のみSUS430とし、上側はさびにくいSUS304を組み合わせた製品があります。

高価ななべでは、SUS304でSUS430をはさんだサンドイッチ構造にして、IH調理器で使えてしかもさびにくいようにしたり、さらにアルミもはさんだ多層構造にして、熱伝導率を向上させ、熱のまわりがよく均等に火が通るようにしたものがあります。

圧力なべでも、安価なものは底だけ多層構造にしてありますが、高級品には、側面までも5層といった多層構造にして、頑丈で強い圧力に耐えられる製品があります。圧力を上げられるということは、内部をさらに高温にできるということであり、調理がより短時間ですむ利点があります。また、頑丈なステンレス鋼を使うことで、内部の高圧にも耐えられる製品がつくれるのです。

 
中華なべ

中華なべは炒め物はもちろん、揚げ物にも使え、スープなどもつくれる、万能調理器具です。お好み焼きやパンケーキといった平たいものは焼きづらいですが、たいていのものはこれでこなせます。フライパンがなくても、いい中華なべがひとつあれば、家庭の調理ならほぼ充分です。

中華なべにはステンレス鋼製やチタン製もありますが、いいものをお求めなら、火のまわりがよく油がなじみやすい、打ち出しの鉄製に限るでしょう。プレス加工ではなく、槌で何千回も鉄板をたたいて打ち出した厚手の中華なべは、叩くことで表面に微細な凹凸が形成されます。何度も使ううち、この凹凸に油が浸透し、焦げつきにくい、たいへん使いやすいものとなります。また、叩くことによって強くなるそうです。

鉄ですので、水がついたままにするとたちまちさびます。でも、調理後にお湯を入れて竹のささらでざっとこすればきれいになり、そのまま熱して乾かせばOK、これでさびません。洗剤も不要で、手入れは楽です。