歴史的建造物や名所旧跡のかたわらに、その場所の由緒などが書かれた案内板がよく立っています。そういった屋外案内板や石碑などのモニュメントには、金属製の写真が設置されていることがあります。看板にも同様の金属製写真があり、金属銘板の一種です。近年では、個人のお客さま向けに、写真を金属へ加工するサービスも提供されています。
そういった製品の多くでは、塗料で写真の濃淡が表されています。まれに特殊な写真乳剤が使われます。屋外にさらされた塗装は数年で剥げます。もってもせいぜい十数年です。写真乳剤でも20年とされています。屋外に設置されているステンレス製の案内標識等で、黒い色がところどころはげてしまって浅い彫り込みの痕だけになってしまっているのを町中でよく見かけます。
千年写真では、塗料やメッキで色材を付着させているわけではありませんので、色の剥離や褪色は原理的に起こりません。
また、後述の3方式(メタルプリント・ダゲレオタイプ・金属板へのプリント)と同様、この方式も見る角度によって見えづらくなります。そして、一般にこの種の金属製品では、 レーザー彫刻と同様に、写真は粗いドットで再現されています。新聞の写真のようなものです。写真を線で再現して立体感を表現する写真彫刻技法を用いた千年写真とは、ヴィジュアルもまったく異なります。彫刻法についてもご覧ください。