Q: 実際に千年もつのですか?

A: 保存条件によります。

耐久性が必要な用途でしたら、ミレニアム・フォトまたはステンレス・フォトをおすすめいたします。

海洋施設に使われるステンレス鋼であるSUS316を使用し、通常のステンレス製品よりもさびにくいので、室内使用であれば半永久的に変化しません。強い力を加えられたり強い薬品に浸される等の事故がない限り、劣化する要因が存在しません。

墓石などで内陸部の戸外に置くなら、数百年は残ると考えられます。強制劣化試験は現在実施中です。

海沿い等の地域で、常時塩にさらされる屋外に設置される場合、数十年程度で細かいサビが発生する可能性があります。長期にわたって保存するためには、定期的に洗浄するなどメンテナンスが必要です。

詳しくは耐久性についてをご覧ください。

カラー・ステンレス・フォトは、屋内では相当の長期保存に耐えます。屋外では数十年といった長期間後には表面加工が剥がれる可能性がありますので、長期保存用途には向きません。

アルミニウム製のメタルフォトも、屋内では相当の長期保存に耐えます。屋外での保証寿命は20年ですので、その程度で劣化の可能性があります。

Q: 確実に千年後に残したいのですが。

A: まちがいなく千年残したいという場合には、ミレニアム・フォトまたはステンレス・フォトをお選びください。室内の通常の使用条件ならば、千年は優に残せます。

Q: ステンレスでもさびるのではありませんか?

A: ひとことでステンレス鋼といってもたくさんの種類があります。

ステンレス製のアパートの流しなどは、濡れっぱなしにしておけばたちまちさびます。一方、ステンレス製のスプーンやフォークがさびることはあまりありません。このような差は、金属の組成が異なるために生じます。詳しくはステンレス鋼についてをご覧ください。

千年写真の素材は、海水ポンプ・薬品の配管・医療用途に使われるのと同等の、SUS316と呼ばれるオーステナイト系のステンレス鋼です。「さびない」とは言い切れませんが、きわめて「さびにくい」素材です。

Q: 千年写真の黒い部分は時間がたつと剥がれたりしないのでしょうか?

A: 黒い色はステンレス鋼そのものですので、剥がれることはありません。たいへん強靱ですので摩耗もしにくく、長期にわたって色合いを保ちます。

ステンレス鋼とは約10.5%以上のクロム(Cr)を含有する鉄合金の総称です。ステンレス鋼材の表面では、このクロムが数nmというごく薄い不動態層を形成しており、これがバリアになってサビを防ぎます。この不動態層はきわめて頑丈で、通常のステンレス鋼自体よりも硬度が高いうえに、一度破壊されても、空気に接するとただちに再生してステンレスの地肌を守り続けます。

ミレニアム・フォトおよびステンレス・フォトでは、この不動態層を独自の技術で成長させ、黒く発色させています。ステンレス鋼の表面状態を変化させて色を出していますので、塗装やメッキのような剥離や褪色は起こりません。詳しくは千年写真の耐久性をご覧ください。

Q: 墓石で雨ざらしだと長い歳月の後にどうなりますか?

A: 屋外でのご使用にはミレニアム・フォトまたはステンレス・フォトフラットタイプをお選びください。また、固定用のボルトは必ずステンレス製をお使いください。鉄製ですと、鉄との接触が原因でステンレスがさびてしまう、いわゆる「もらいさび」が発生します。

このように、ほかの物質の影響でさびることはありますが、その点に留意して設置すれば、相当長期間にわたって初期の外観を維持します。まったく劣化しないとはいえませんが、その進行度合はごくわずかです。

町中でステンレスの看板や案内表示、表札等をよく見かけますが、しばしば黒い塗装表示が剥がれています。塗装はいつか必ず剥がれます。千年写真の場合、塗装ではありませんので、看板等と違って剥がれることはありません。

とはいえ、屋外で使う場合には、使用条件によりますが、表面がややくすんだり、ホコリが風でぶつかって細かい傷が無数についていく可能性があります。野外彫刻と同じことです。ただ、大理石等の野外彫刻よりも酸性雨に強く、表面が削れたり外形が変わったりすることはほとんどありません。詳しくは千年写真の耐久性をご覧ください。

Q: 海辺で外に置いておくとどうなりますか?

A: ミレニアム・フォトおよびステンレス・フォトでは、一般のステンレス製品よりも耐蝕性の高いSUS316を使用しており、サビには比較的強いといえます。ただし、海辺で常時潮風があたったり、工業地帯で亜硫酸ガスや塩化水素ガス等にさらされているとかすかにサビが発生する可能性があります。その予防のためには、定期的に真水で洗浄する必要があります。

真鍮素材では海沿いの地域での屋外設置はお避けください。

Q: こすると傷がつきますか?

A: 白い部分はステンレスの地肌ですので丈夫です。黒い部分はステンレスがより固くなっていますので、より強靱です。どちらも、爪でこすった程度では傷はつきません。

ただし、固いものでこすればすり傷がつきます。ステンレスが固いとはいっても、同じ強度のステンレスでこすれば削れます。固い石などでもへこむ可能性があります。

千年写真は頑丈ですが、まったく傷がつかないというものではありません。扱い方によってはわずかな傷がつくことがあります。

Q: 傷ついた場合に修理は可能でしょうか?

A: 白マットタイプ両側J字フレームタイプの周囲の白い部分に傷がついた場合には交換可能です。ご相談ください。

本体の画面部分については、修復困難な場合が多いですが、修復できることもありますのでお問い合せください。

Q: さらに耐久性の高い素材はありませんか?

A: チタン合金製の千年写真は現在開発中です。

また、高硬度・高対磨耗性を有する焼き入れ鋼のSUS440やSUS630、炭素のかわりに珪素を含有する各種シリコロイなど、用途に応じてさまざまな素材での試作が可能です。

ただし試作素材は原則として鉄合金または銅合金に限ります。コバルト基のステライトやニッケル基のインコネル・ハステロイ、タングステンカーバイド等の特殊な合金には対応できません。

試作には期間と費用を要します。また、テストの結果、ご期待に添えない可能性もあります。詳細についてはお問い合せください。

Q: 真鍮製は1000年たつと変化しているかもしれないとのことですが、それでも千年写真と言えるのでしょうか?

A: かつてコニカという写真メーカーが、カラー写真印画について「百年プリント」を謳っていました。これは、理想的な保存状態であれば、焼き付けたばかりの色の濃さが100年後に70%程度保たれている、というふれこみでした。劣化はする、ということです。

弊社の千年写真も、1000年間まったく変化しないということではありません。それでも紙の写真よりははるかに高耐久です。またその変化も、通常の場合肉眼では気づかないほどわずかです。

より詳しくは、千年写真は千年残るかをご覧ください。

真鍮製のブラス・フォトの場合、ミレニアム・フォトステンレス・フォトより変化しやすいですが、青銅製の仏像などのように緑青が生じて味わいがでてきますので、そうした変化も含めての「千年写真」であると考えます。

Q: なぜ1000年残るなどと言い切れるのですか? 1000年後のことなど誰にもわからないのではありませんか?

A: もちろん1000年後のことはわかりません。1000年後に千年写真がどうなっているか確証を持ってお答えすることはできません。

しかしながら、千年写真のうちミレニアム・フォトステンレス・フォトは100%ステンレス製であり、経年劣化する要素がどこにもありません。無理な力を加えて曲げたり、熱や薬品で溶かすというようにことさら破壊しようとするならともかく、通常の環境で保存されていれば、壊れたり劣化する理由がありません。

その限りで、1000年以上の耐久性があると考えています。充分な耐久性はありますが、実際に残るかどうかは所有されるみなさまの扱い如何にかかっていますので、それはまた別の問題です。

Q: 写真を1000年残すことにどんな意味があるのでしょうか?

A: 自分の姿をはるかな死後にまで残しても無駄だ、とお考えになる方もいらっしゃるでしょうし、そのお考えももっともだと思います。

でも、次のような心境にふとさしかかることも、もしかするといずれおありかもしれません。

かつて、ある通販会社の社長が、ビデオカメラの宣伝でこんなことを語っていました。

「自分が子供だった頃、父親が8mmフィルムで自分の姿を撮影してくれた。今になってそのフィルムを見る。子供の頃の自分を見たいのではない。フィルムに映り込んでいる、若かった頃の、自分と同じ年頃の父親の姿を見ているのだ。お父さん、お母さん、ビデオでどんどん撮っておいた方がいい。自分が見るのではなく、今のあなたの姿を、将来のあなたのお子さんに見せるために」。

私に子供はいませんが、この心境はわかるつもりです。

個人的な話で恐縮ですけれど、しばらくおつきあいください。父親は先年没しましたが、私は若い頃の父親に瓜二つだといわれます。声もそっくりなのだそうです。事情があって私は父親とずっと会っておらず、父の後半生についてほとんど何も知らないのですが、今どんな選択をすべきなのか、を考えるにあたり、お手本として、自分と同様の資質を持っていた先輩である父親や祖父、さらに前の世代の先祖がこの歳にどうしていたかを知りたいですし、父親の晩年がわかれば、自分がこれからどうなるのかを推測する道しるべになったろうに、とも思います。

そしてまた、先祖は自分と同じ顔をしていたのだろうか、今の歳の先祖はいい生き方をし、いい顔をしていたろうか、とも思いを馳せます。

今のあなたのお姿を残すことは、みなさんのご子孫が生き方に迷ったときに何かの指針になるのではないでしょうか。そして、あなたのお姿を次世代に託すことは、あなたの血が将来にわたって受け継がれ続けていくことを祈念するあかしにもなるのではないでしょうか。

血縁関係で成り立つご一族の場合だけでなく、会社などの任意組織の場合でも、代々の経営者のお姿を残すということは、会社のトップを顕彰することであり、ひいては、会社が長らえてきた歴史を肯定することだと思います。

親族にせよ会社にせよ、ひとつの集団が長きにわたり存続するということは、その集団の価値のあかしでしょう。

そこでかつての歴史を受け継いでもらうべく、親族の場合は血筋、組織の場合は経営理念や企業の社会的目的などの象徴として、代表者のお姿の写真を半永久的に残る状態で保存しておくことは、親族であれ企業であれ、みずからが属して盛り立てようと半生なり生涯を捧げた集団が、長きにわたり繁栄しますようにとの、ひたむきな思いの現れだと思います。そうした思いはすばらしいものではないでしょうか。

千年写真が、みなさまのそのような思いを託すよすがとなりますことを、わたくしどもは常日頃願っております。