Q: レリーフのようなものですか? 金属製のレリーフとはどうちがうのですか?

A: レリーフは彫刻または半彫刻、千年写真は写真彫刻です。写真をアレンジした半立体物がレリーフ、写真をリアルに焼き付けた平面彫刻が千年写真です。

レリーフも千年写真も写真の明暗の情報から金属の彫刻を成型しています。レリーフでは写真の明暗をもとに半立体を成型するため、どこか不自然な仕上がりとなることがあります。千年写真では、階調情報をそのまま明るさとして表しますので、写真の明暗が違和感なく再現されます。

金属製レリーフ もご覧ください。

Q: レーザー彫刻とはどうちがうのですか?

A: レーザー彫刻とはレーザー出力による加工です。レーザー彫刻にもさまざまな種類がありますが、現在一般的な処理法による加工品は基本的にほとんど平らですので、見た目は紙の印刷と大差ありません。

ところが千年写真は、立体的に彫り込んで独自の形状を形成することで複雑な反射光パターンを発生させて光を放ちます。さらに、見る角度と光の当たり具合によって反射具合も変化しますので、レーザー彫刻による画像とは異なる、これぞ彫刻というべき存在感を放ちます。このような効果は表面を薄く削ったレーザー彫刻にはなく、深く彫り込む千年写真だけの特徴です。

レーザー彫刻もご覧ください。

Q: 街中にある金属製の説明プレートみたいなものですか?

A: 耐久性がまったくちがいます。詳しくは金属製案内板をご覧ください。見た目も異なります。

彫刻法についてもご覧ください。

Q: メタルプリントとはどうちがうのですか?

A: 金属板に、細い針(スタイラス)で無数の点を打ち、画像を再現する方法です。メタルプリントと呼ばれ、パソコンと加工機械で誰でも手軽に製作できることもあって、多くの業者さんがネームプレートなどを販売なさっています。

このメタルプリントでは、打刻された部分が白っぽくなり、それ以外の部分が暗く見えるのですが、これが平滑面なので、光の当たり具合によっては反射して明るく見えてしまいます。銘板よりもさらにコントラストの低い画像で、写真の再現性が劣ります。

メタルプリントでは、写真がぼんやりしています。千年写真では、はっきり再現されます。

メタルプリントもご覧ください。

Q: ダゲレオタイプとはどうちがうのですか?

A: ダゲレオタイプも千年写真も、金属板上にモノクロ画像が形成されていて、金属の光沢があるという点では共通しています。

次に差異を列記します。

ダゲレオタイプは光が当たる角度と見る角度の関係により、ネガ像に見えることもあり、どの角度でも見えるわけではなく、特定の角度からでないと適切に見えません。全体にぼんやりしてゴーストのように見えることがあります。細部は克明に描写されます。基本的には一点のみで、また大きなサイズに伸ばすのは困難です。手で触れると画像が破壊されたり、保存条件により劣化が激しいなど、保存性はあまりよくないとされています。

一方千年写真は、明暗のコントラストが高く、どの角度からでもはっきり見えます。元の写真の細かい部分は再現されません。彫り込まれた溝に光が反射することで、他にはない立体感が得られます。長期保存可能であり、室内ならばメンテナンスフリーです。

ダゲレオタイプもご覧ください。

Q: 画像をプリントした金属板とはどうちがうのですか?

A: 近年ではインクジェットプリンタや熱転写プリンタが紙以外のさまざまな媒体に出力できるようになっています。

これらを金属に施すことももちろんできますが、ただへばりついているだけですので、こすればたやすくはがれます。画像の堅牢性も耐久性も千年写真にはとうてい及びません。

金属板へのプリントもご覧ください。

Q: ガラス彫刻とはどうちがうのですか?

A: ガラス彫刻といえば、ガラスの表面に細かい砂(ビーズ・カーボランダム・アランダム・アルミナ等)を高圧で吹きつけてガラスを削るサンドブラストが広く行われていて、ガラスの表札を制作したり写真をガラスに加工する業者さんがたくさんいらっしゃいます。

千年写真との差異という点では、まず素材が違い、加工方法もまったく別です。

ガラスは透明ですので、向かい側に光源を置くと、透過光特有の効果が出ます。一方、こちら側から光を当ててもあまりきれいに見えません。ですので、壁掛けや壁への埋め込みでは見栄えがあがりません。机の上などに置いて背後に光がある条件で使うのに向いているといえます。

千年写真は金属製ですので、光の透過はなく反射光で見ます。金属の光沢が特徴です。

ガラス彫刻での画像の加工は、一般に印刷物と同様に細かい点の集積で明暗の階調を表します。ただし印刷物にくらべるとコントラストが低くぼんやりとしていて、あまりはっきりとはしていません。肖像などは、見る角度によってはまるで幽霊のように見えることもあります。

千年写真では、独自の曲線の溝で階調を表しながら同時に立体感も再現します。

また、ガラスはもろくて傷がつきやすく、割れることもあります。長い年月を耐える素材ではないと思われます。